<「平成23年度南島周辺外来植物排除委託」の結果ついて>
                                                                 130630
                                                     マルベリー

                                                                                       2012年春、野生研機関紙に投稿したものです


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「平成23年度南島周辺外来種排除」の結果ついて

吉井信秋

一昨年に引き続き昨年度も野生研では、小笠原支庁より「平成23年度南島周辺外来種排除」事業を受託しました。事業内容は南島外回りのラピエ(尖った岩場)の外来植物排除(抜き取り)作業です。作業は63月の間に作業員4人で18回分でした。一昨年が10回だったので、8回分増えました。僕は現場代理人となり毎回作業に出かけ、ほかに作業員として会員3人との計4人で作業をしました。

結果は、排除量の合計が1800kg弱で、イヌホオズキ950kg強、ノゲシ200kg強、タバコ170kg強などで、重量感算では約半分がイヌホオズキでした。他にはムラサキヒゲシバ、ハハキメヒシバ、シンクリノイガ、タツノツメガヤ、オオアレチノギク、コトブキギク、カラクサナズナなども除去しました。

外来種の樹木もまだわずかですが生えていました。モクマオウ1本、シマグワ1本、ガジュマル1本を見つけました。これらは根本付近から鋸で切り取り、切り口に除草剤のラウンドアップを塗布しました。さらに一度、縦島にも立ち寄る機会が持てたので、上陸調査したところ、ガジュマルが1本見つかり、同様に処理してきました。

18回の作業で、南島周辺全域を回り終え、最後の数回では、夏季にカツオドリの営巣で作業できなかった場所を重点的に作業しました。

昨年度の作業で、「暑さ」、「危険」、「運搬の大変さ」を身をもって経験していましたから、なるべくそれらを軽減することも考えました。なかなか名案はありませんでしたが、少しは改善できた部分もあるかなと思いました。

「暑さ」対策は、夏場の2回ほど(6/227/5)、早朝からの作業にして、早め終了にしました。そのことで午後の炎天下からは逃げることができました。早起きが大変でしたが・・

「危険」「運搬の大変さ」対策としては、昨年度の経験も踏まえて上陸場所をなるべく作業箇所に近い所を使えるように、新たな上陸場所をいくつか確立しました。そのことにより長距離の危険で重い運搬作業を軽減することができました。

また10kg以上の重量がありますから、全員分の背負子を用意しました。これでなるべく両手をあけて運搬ができるようになり、バランスを崩したりした時の対処も楽になりました。事故を防ぐことも出来ます。

作業の休憩中は楽しみもありました。父島ではなかなかお目にかかれないツルワダン、オガサワラアザミ、ナハカノコソウの花が見れたり、天気がいいと絶景が楽しめたりしました。冬場にはザトウクジラのブローやブリーチングが見れたときもありました。作業の疲れが飛ぶひとときでした。同様なことは往復の船の中でもありました。

無事、平成23年度も事故がなく作業を完了することができました。平成24年度もこの事業を受託しています。今年度も事故がないように、無理せず作業していきたいと思います。

なお「暑さ」「危険」「運搬の大変さ」に耐えられる方で、出港中に時間の取れる方ぜひお手伝いください。会員かつ都(南島)自然ガイドの方であればありがたいです。

僕か事務局までご一報ください。    <完>



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